掲示中ボード
現在掲示中のボードのタイトルは、「歯が抜けたままほっとくとどうなる?」です。
歯は一見同じ所に固定されているようでいて、実はそうではありません。
横にスペースができると、自然とその空いたスペースへと動きます。
歯はもともと馬蹄型にバランスよく並んで支え合って機能するようにできています。歯が失われるとそのバランスが崩れ、空いたスペースに向かって倒れ込んでしまうのです。また、歯は上下が噛み合って機能しています。噛み合う歯を失った歯には噛む力が加わりません。すると空いたスペースへとジワジワと出っ張って(挺出して)いきます。
周囲の歯が倒れたり、出っ張った時とくに困るのは、噛み合わせが悪化することです。「今は何とか噛めるから」とほうっておくと徐々に噛み合わせが悪化し、食事がつらくなるので「やっぱり治療をしよう」とだいぶ経ってから来院される方が少なくありません。
しかし、既に歯が倒れたり、出っ張っているとブリッジを入れるスペースが足りないのはもちろん、部分入れ歯を入れるにも、インプラントを埋入するにもスペースが足りません。そこでまず、歯を元の位置に戻したり、歯を削ってスペースを作ったり、歯の移動があまりに大きい場合は、邪魔している歯を抜いて治療を始めなければいけません。
こうした歯の移動を防ぐにはどうしたらよいのでしょう?それは、早期に部分入れ歯、ブリッジ、あるいはインプラントなどの人工歯を設置したり、歯が移動しないように固定する処置を受けることです。
歯を失った方で、「そのうち治療を受けよう」と思っている方は、「いざ治療を」というときに困らないよう、ぜひ一度歯科医院でその後の治療方針について相談しておくことをおすすめします。
(参照:nico 2018年3月号 P28-P33 Dr.土屋の知りたい!補綴のメカニズム)